備蓄米入札の参加条件、買い戻し「原則1年以内」見直し検討

2025/05/09 18:24 

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 江藤拓農相は9日の閣議後記者会見で、政府備蓄米を集荷業者に売り渡す入札の参加条件として、放出した備蓄米と同量の買い戻しを「原則1年以内」としていることについて、見直しを検討する考えを示した。

 農水省はこれまで実施した備蓄米入札の参加条件として、集荷業者に放出分と同量の買い戻しを求めている。その期限については「原則として売り渡しから1年以内(双方協議の上延長することも可能)」とする。買い戻すことでコメの流通量が減り、価格の高騰が懸念される場合などを1年を超える例外と想定している。

 買い戻しの期限を巡っては「原則1年以内」としたことで集荷業者が入札をためらう要因となっているとの指摘がある。コメの価格が高止まりするなか、与党の一部から制度の見直しを求める意見が出ており、江藤氏は同日の記者会見で「(買い戻しを原則)1年にこだわらないことは、もう何度も申し上げている。米価が高い水準で維持されている段階で、市場からコメを吸い上げることはありえない」と強調。「ご意見をしっかり受け止めた上で考えたい」と述べた。

 一方、応札業者が増えると、落札価格が競争で上昇し、コメ価格の低下につながらないとの指摘もある。農水省は「原則1年以内」を外すことの政策効果を見極めた上で、今後結論を出すとみられる。【中津川甫、杉山雄飛】

毎日新聞

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