日鉄、USスチール買収計画は「6月5日までに終わらせたい」
日本製鉄の森高弘副会長は9日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、トランプ米大統領が6月5日までに買収計画を認めるかどうか最終判断する見通しだとした上で、「そこまでに計画を終わらせようと全力を挙げている」と述べた。
買収計画は今後、大きな局面を迎える。トランプ氏は4月7日、対米外国投資委員会(CFIUS)に対し、日鉄の買収計画について国家安全保障上のリスク軽減措置が適切かどうか再審査するよう命じていた。
日鉄によると、CFIUSは5月21日までに日鉄の提案内容が十分かどうか判断し、トランプ氏に報告。トランプ氏は6月5日までに買収計画を認めるかどうか最終判断を下す方針という。
国内の鉄鋼需要の低迷に加え、トランプ政権の関税強化がさらなる需要縮小を招くおそれもある。厳しい事業環境の中でも米国は今後も市場拡大が見込まれ、USスチールの買収計画は日鉄にとって中長期的な成長の大きな鍵を握る。
今井正社長は「完全子会社化が交渉のスターティングポイントであることは今も変わっていない」とした上で、米政府との交渉の状況について「出資をする以上リターンがなければならない。(過半出資を認めない姿勢を示しているトランプ氏に)どこまで許されるのかというところを真摯(しんし)に詰めながら、米国政府とさまざまなやりとりをしている最中だ」と語った。
一方、日鉄は9日発表した2026年3月期連結業績予想で、最終(当期)利益は前期比42・9%減の2000億円になると見込んだ。鉄鋼需要の低迷や中国の過剰生産に加え、米政権による関税強化の影響が避けられないとした。
今井社長は「関税による広範なサプライチェーン(供給網)への影響を定量的に把握するのは困難だ」とした上で「自動車を中心とした間接輸出に甚大な影響が見込まれる」と業績への打撃に懸念を表明。売上高に当たる売り上げ収益は未定とし、本業のもうけを示す事業利益は41・5%減の4000億円とした。
鉄鋼メーカーにとって最大の顧客である自動車各社はトランプ関税と円高進行の逆風にさらされており、生産台数が減少すれば、鋼材の需要が落ち込むのは必至だ。こうした現状に、今井社長は「未曽有の危機的状況にある。グループシナジーを含めて競争力の強化を図りたい」と語った。
25年3月期の売り上げ収益は前期比1・9%減の8兆6955億円、事業利益は21・4%減の6832億円、最終利益は36・2%減の3502億円だった。【成澤隼人】
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