豊田章男氏「国と対等な対話を」 日本自動車会議所会長に就任

2025/06/10 21:45 

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 日本自動車会議所の新会長にトヨタ自動車会長の豊田章男氏(69)が10日、就任した。内山田竹志氏(78)=前トヨタ会長=は退任し、8年ぶりにトップが交代した。就任あいさつで豊田氏は「車を日本の文化にしたい」と決意を述べた。

 日本自動車会議所は、日本自動車工業会(自工会)をはじめ生産、販売、物流、交通など自動車に関わる166団体・企業で組織する。税制などの政策について業界の要望をまとめ、政府などに提言している。豊田氏は報道陣の取材に、「自動車業界は国と法律やルールについてやりとりしてきた歴史がある。私ができるのはユーザーや働く人の目線で、対等な対話に貢献すること」と語った。

 足元ではトランプ米政権が課す輸入車や部品への追加関税が、業界全体の重荷となっている。トヨタは9日、配信動画で関税交渉の材料として自社の国内販売網を使い、米国車を売る案などを明らかにした。

 日本自動車会議所は豊田氏の父・章一郎氏も会長を務め、祖父・喜一郎氏が前身となる団体の発足に奔走した歴史がある。

 豊田氏は2回にわたり通算約7年間務めた自工会会長を2023年末に退任。約1年半ぶりに主要業界団体トップに復帰した形だ。【鶴見泰寿】

毎日新聞

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