FRB、4回連続金利据え置き パウエル氏「数カ月以内にインフレ」
米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、政策金利を4・25~4・5%に据え置くと決めた。利下げ見送りは1月から4会合連続。トランプ政権の大幅な関税引き上げで物価上昇(インフレ)が再燃するリスクがあると判断し、経済動向を慎重に見極める。最新の経済見通しでは、年内に2回利下げするシナリオを維持した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を17~18日に開き、全会一致で決めた。
パウエル議長は会合後の記者会見で「今後数カ月でかなりのインフレが起きると予測しており、それを考慮しなければならない」と説明。「もう数カ月待つことで、我々はより賢明で適切な判断を下せるようになる」と述べ、金融政策の変更を検討する前にトランプ関税の影響を見極める「様子見」の時間が必要との考えを改めて示した。
また、トランプ関税が経済に与える不確実性について「4月にピークに達し、そこから低減している」と分析。関税が経済予測に与えるインパクトは、自動車関税や「相互関税」を発動した4月が最も大きかったとの見方を示した。
同日公表した経済見通しでは、年末のインフレ率(個人消費支出物価指数)を3・0%と前回3月時点の見通し(2・7%)から引き上げた。一方、10~12月期の経済成長率は前年同期比1・4%上昇と、前回(1・7%)から引き下げた。トランプ関税でインフレが再燃する一方、米経済は失速する「スタグフレーション」のリスクを再び示した形だ。
年末の政策金利は前回と同じく3・9%になるとの見通しを提示。年内残り4回の会合で0・25%の利下げを2回する計算になる。
トランプ大統領は自らの高関税措置で景気の先行きが不透明になる中、繰り返しFRBに利下げを要求している。18日にも記者団に「インフレは起きていない。彼は愚かだ」とパウエル氏を罵倒した。
だが、パウエル氏は会見で「経済指標に基づいて判断する」と改めて明言。FRBの政治的独立を守る姿勢を貫いている。
関税に伴う目立ったインフレは起きていないが、米企業が4月以前に大量輸入した安価な商品は数カ月で底を突く見通し。高関税を課された商品を取り扱う米企業は、関税コストを販売価格に転嫁せざるを得なくなるとみられ、今後幅広いモノの値段が上昇する可能性が高い。パウエル氏は会見で「一部の影響は表れ始めている」と述べ、既にパソコンなどが関税の影響で値上がりしていると例示した。
FRBはインフレ傾向が弱まった2024年9月から3会合連続で計1%の利下げを実施した。だが、トランプ氏が大統領に就任した年明け以降は、金利の据え置きを続けている。【ワシントン大久保渉】
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