世界成長率3.3% AI投資追い風に IMF26年見通し上方修正
国際通貨基金(IMF)は19日、最新の世界経済見通しを発表した。成長率は2025年の推定、26年の予測ともに3・3%で、25年10月の前回見通しからそれぞれ0・1ポイント、0・2ポイント上方修正した。トランプ米政権の大規模関税措置が引き続き影響するものの、米国と各国との交渉の結果、貿易摩擦が緩和傾向にあるほか、人工知能(AI)関連投資の急増が追い風になっていると指摘した。
一方で、先行きは「依然として下方にリスクが偏っている」と分析した。AIによる生産性向上が期待外れに終わった場合、AIブームがけん引してきた株高の流れが失速し、株価が長期にわたって下落する恐れがあるとした。
また中東やウクライナに加え、昨今のベネズエラ情勢も念頭に「地政学的な緊張の大幅な高まりは重大な供給ショックを引き起こす可能性がある」とした。重要なサプライチェーン(供給網)や航空輸送が混乱し、コスト増を招く可能性を挙げた。
国名を示してはいないが、特定分野への新たな関税措置の発動や、中国が圧倒的なシェアを占めるレアアース(希土類)の輸出規制への懸念も示した。
またデンマーク自治領グリーンランドの領有を巡る米欧の対立激化は考慮されておらず、今後の押し下げ要因となる恐れがある。
国・地域別の26年の見通しは、日本は0・7%で、前回から0・1ポイント小幅に上方修正した。25年10月発足の高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」が経済を刺激すると見込んだ。
米国は2・4%と前回から0・3ポイントの上方修正となった。25年7~9月期の国内総生産(GDP)が予想を上回ったほか、25年10~11月の米政府閉鎖終了後に個人消費の低迷が解消したため。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げも米景気を下支えするとみている。
中国は4・5%で前回から0・3ポイント上方修正した。米国との貿易摩擦が続いているが、トランプ政権との協議で関税が引き下げられ、情勢が改善した点などを反映した。
欧州ではドイツが0・2ポイントの上方修正で1・1%となり、地域の「安定した成長」に寄与している。
26年の世界のインフレ率は3・8%。前回から0・1ポイント上方修正した。このうち、先進国は2・2%で据え置いた。米国は一連の高関税措置を踏まえた値上げが徐々に収まり、27年中に2%程度の水準に下がると予測した。
日本は26年に食料品などモノのインフレが落ち着き、27年に日銀が目指す2%に収束するとの見通しを示した。
【ワシントン浅川大樹】
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