韓国・尹大統領、接見禁止で妻とも会えず 拘置所の独房に収容

2025/01/20 11:42 

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 内乱などの容疑で逮捕され、ソウル拘置所に収容されている韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は19日、弁護人以外との接見を禁止され、妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏を含む家族や親族とも面会できなくなった。大手紙「朝鮮日報」などは、尹氏が独房に収容されたと伝えた。

 裁判所が19日に勾留延長を認める令状を発付したことに伴う措置だ。捜査当局はこの令状の期限が28日までと明らかにした。裁判所に追加で申請し許可されれば2月7日まで勾留できるという。

 拘置所は、刑事事件の容疑者や被告などを収容する施設。京畿道義王市にあるソウル拘置所周辺では、尹氏の熱狂的な支持者が断続的に集会を開き、尹氏の釈放を求めている。

 尹氏は逮捕後の15日夜、拘束継続を可能にする令状の審査を待つ間、「待機室」に入れられていた。尹氏は私服で過ごしていたが、監視カメラが24時間稼働する環境で生活。食事は他の被収容者と同じメニューだったという。

 朝鮮日報など複数の大手紙は20日、拘束継続が決まった尹氏が19日に独房に移されたと伝えた。約10平方メートルあまりとみられる。現職大統領であることを考慮し、待機室にいた時と同様、他の被収容者との接触がないよう拘置所側が配慮。拘置所は大統領専任チームを作り、尹氏の身辺保護に当たっているという。

 一定期間にわたる勾留が決まった容疑者は通常、胸付近に収容番号がついた被収容者用の衣服を着て、「マグショット」(容疑者の顔写真)を撮られる。朝鮮日報などは20日、尹氏に対してもこうした手続きが取られたと報じた。

 大統領退任後に刑事事件で逮捕され拘置所に収容された人物としては、近年では朴槿恵(パク・クネ)氏と李明博(イ・ミョンバク)氏がいる。2017年に収賄や職権乱用などの疑いで逮捕された朴氏もソウル拘置所の約10平方メートルの独房に収容された。収賄などの容疑で18年に逮捕された李氏はソウル東部拘置所に収容された。李氏は広さ約13平方メートルの独房で生活した。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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