退任近いバイデン氏が「予防的恩赦」 トランプ氏の「報復」回避か

2025/01/20 23:03 

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 バイデン米大統領は20日、トランプ次期大統領に批判的だったミリー前統合参謀本部議長や新型コロナウイルス対策で対立したファウチ前大統領首席医療顧問らに恩赦を与えた。退任を間近に控え、同日に就任するトランプ次期政権による「報復」を避けるための予防的措置とみられる。

 対象には、2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件を調査した下院特別委員会のチェイニー元下院議員(共和党)らが含まれている。

 バイデン氏は声明で「私は法の支配を信じており、最終的には法制度の強さが政治に勝つと楽観している」としたうえで、「しかし、これは例外的な状況であり、良心の呵責(かしゃく)から何もしないわけにはいかない。根拠のない、政治的な動機に基づく捜査は、標的とされた個人とその家族の生活、安全、経済的安定に大打撃を与える」と説明した。

 米大統領が退任間際に恩赦を与えるのは慣例となっている。通常は有罪判決を受けた一般人を対象に「慈悲」として行われる。しかし、バイデン氏による今回の例は、具体的な容疑も限定しない「予防的恩赦」であり、法学者などから事前に懸念の声が上がっていた。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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