「貴重な人材失った」 死亡の竹内元兵庫県議、同僚らから悼む声

2025/01/21 08:56 

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 斎藤元彦知事の文書告発問題の真相を究明する兵庫県議会調査特別委員会(百条委)委員だった竹内英明元県議(50)が亡くなった。同僚だった県議や県幹部、県内の首長から悼む声が相次ぐとともに、一連の問題に絡んで新たな死者が出たことに県庁内は打ち沈んだ。

 竹内さんは民主党職員、姫路市議を経て2007年に県議に初当選。行財政改革や財政問題に精通し、勉強熱心な議員として知られていた。2024年11月の知事選直後、5期目途中で辞職した。18日夜に亡くなった。自殺とみられる。

 竹内さんが所属していた県議会会派、ひょうご県民連合の迎山志保政調会長は「分収造林や地域整備事業など、県政課題として挙がっていることをいち早く指摘していた。義俠心(ぎきょうしん)が強く、いつまでも青臭く課題を追及していた」と悼んだ。

 ある県幹部は「耳の痛い問題をズバズバ追及される方で厳しい議員という印象だった。こうした緊張感は県行政にとっては必要不可欠。本当に貴重な人材を失ってしまった」と嘆いた。

 県議時代に同じ会派で20年来の交友があった越田謙治郎・川西市長は「SNS(ネット交流サービス)での誹謗(ひぼう)中傷だけでなく、ご本人やご家族も直接身の危険を感じる状況だったと聞く。悔しく、悲しく、言葉もありません。少し口調がきつく聞こえる点は玉に疵(きず)ですが、人付き合いが良く本当に優しい友人だった」とX(ツイッター)に投稿した。

 浜田知昭議長は「50歳という若さであり、残されたご家族の心痛は察するに余りある」とコメントを出した。

 高校の先輩で、同じ姫路市選出の北野実・自民党県議団幹事長は「市議と県議を同期当選し、会派が違っても議論を戦わせてきた。このような事態となりたまらない。これ以上犠牲者を出してはならない」と語った。

 竹内さんが亡くなった後もSNS上での誹謗中傷はやむことがない。長瀬猛県議(自民)は「斎藤知事自身がSNSによる誹謗中傷をやめるようメッセージを発信すべきだ。ご家族の思いを考え、すぐに対応しなければ被害が止まらない。国会の議論や3月末の百条委報告書を待っていられない事態の深刻さだ」と対応を求めた。【中尾卓英、山田麻未、栗田亨】

 ◇相談窓口

・#いのちSOS

 「生きることに疲れた」などの思いを専門の相談員が受け止め、一緒に支援策を考えます。

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 0120・783・556=フリーダイヤル。午後4時~同9時。毎月10日は午前8時~11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。

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