ガザ地区のがれきから97人の遺体 南部では狙撃による死者も

2025/01/21 03:02 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 パレスチナ自治区ガザ地区での停戦開始から2日目の20日、南部ラファで10代の少年を含む民間人2人がイスラエル軍の狙撃で死亡した。パレスチナ解放機構(PLO)の公式通信社であるパレスチナ通信(WAFA)が報じた。ただ、大規模な戦闘は起きておらず、停戦合意はおおむね守られているとみられる。

 WAFAやロイター通信によると、ラファでは20日朝もイスラエル軍の銃撃で8人が負傷したという。軍は部隊に向かってくる住民に警告射撃をしたとしている。

 ガザ地区では20日、がれきの下に埋もれている犠牲者の捜索活動が本格化した。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、97人の遺体が新たに見つかったという。ガザ当局は行方不明者は1万人に上るとみている。これまでの戦闘による死者は4万7035人となった。

 一方、イスラエル軍のハレビ参謀総長は20日、ガザ地区での停戦発効に伴い、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で「重要な対テロ作戦の準備をしなければならない」と述べた。また、ガザ地区やレバノンでも「戦闘を続ける計画」を準備するよう指示した。

 イスラエルとハマスは第1段階の42日間の戦闘休止中に恒久的な停戦に向けた交渉を始めることで合意しているが、ネタニヤフ首相は必要に応じて戦闘を再開する権利を維持していると主張している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

国際

国際一覧>