イスラエルがパレスチナ人110人を釈放 人質解放の混乱で遅れる

2025/01/31 01:15 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが30日に人質計8人を解放したことを受け、イスラエルは同日、拘束していたパレスチナ人110人を釈放した。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などが報じた。ハマスによる人質解放ではガザ地区の住民が現場に殺到し引き渡しが混乱したことから、イスラエルは仲介国が再発防止を保証するまで、パレスチナ人の釈放を延期していた。

 報道によると、釈放されたパレスチナ人110人のうち、32人は終身刑を言い渡された囚人で、ほかに子供30人も含まれている。囚人たちが収容されていたパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の刑務所近くでは釈放の際、住民がイスラエルの治安部隊に投石を行い、治安部隊が発砲する場面も中継された。

 ハマスは30日、ガザ地区北部ジャバリアと南部ハンユニスで人質を解放したが、ハンユニスでは人質が大勢の住民に囲まれて現場が混乱し、引き渡しが難航した。イスラエルは強く反発し、人質の安全と再発防止を保証するよう仲介国に要請。仲介国が了承するまでパレスチナ人の釈放手続きを一時中断していた。

 一方、イスラエル軍は30日、ヨルダン川西岸地区で実施している「対テロ作戦」で、29日に空爆により戦闘員10人を殺害したと発表した。ガザ地区で停戦が続く一方、西岸地区では軍事作戦が激化している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

国際

国際一覧>