ドイツ、移民政策厳格化の決議案可決 最大野党の方針転換が物議
2月下旬に前倒しの総選挙を控えるドイツの連邦議会で29日、移民・難民政策の厳格化を政府に求める決議案が賛成多数で可決された。最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が提案し、排外主義的な右派「ドイツのための選択肢(AfD)」も賛同した。法的拘束力はなく、政府方針への影響はないとみられるが、AfDとの協力を否定してきたCDU・CSUの方針転換が物議を醸している。
ドイツでは22日、南部アシャッフェンブルクの公園でアフガニスタン出身の男性が幼児らを刃物で襲い、2人が死亡する事件が発生した。これらを受けて、移民・難民政策が改めて選挙戦での争点となっている。今回、CDU・CSUが提案した決議には、国境の持続的な管理▽入国許可証を持っていない人物の入国拒否▽国外退去の対象者の拘束――などが含まれる。
移民・難民対策の強化を公約に掲げるCDUのメルツ党首は24日、「誰が賛成するかにかかわらず(決議案を)出す」と述べ、AfDとの協力も辞さない姿勢を示していた。ドイツでは、ナチス政権を生んだ反省から排外主義勢力への警戒感が強い。主要政党はAfDとの連立や政策協力を否定し、CDU・CSUも例外ではなかった。与党の中道左派・社会民主党などはメルツ氏の発言を強く批判し、採決でも反対した。
そもそも、欧州連合(EU)加盟国のドイツが国境管理を恒常化することは、EU域内の自由な移動を可能にする「シェンゲン協定」に反する。このため、今回の決議は実現可能性が低いとも指摘されている。
最近、CDU・CSUは世論調査での支持率が政党間で最も高く、現時点では、2月23日の前倒し総選挙後に第1党となる公算が大きい。メルツ氏は公約の実現に向けた強い姿勢をアピールした形だが、AfDに拒否感を持つ支持者からは不評を買うおそれもある。【ベルリン五十嵐朋子】
-
米フィギュア界の「未来も失われた」 事故の旅客機に多数の有望選手
米首都ワシントン近郊で米軍ヘリと衝突した小型旅客機には、多数のフィギュアスケート関係者が乗っていたことが明らかになった。元世界チャンピオンのコーチ夫妻やジュニ…国 際 1時間前 毎日新聞
-
ブラックボックス回収 米で墜落の旅客機残骸から 遺体40人超
米国の首都ワシントン近郊で1月29日に小型旅客機と米陸軍ヘリコプターが衝突、墜落した問題で、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は30日、旅客機が着陸を試みて…国 際 2時間前 毎日新聞
-
日米防衛相が電話協議 トランプ新政権初 尖閣に安保条約適用を確認
中谷元・防衛相は31日、ヘグセス米国防長官と約40分間、電話で協議した。トランプ新政権発足後、防衛相協議は初めてで、両氏は米国による防衛義務を定めた日米安全保…国 際 3時間前 毎日新聞
-
トランプ氏、旅客機衝突の会見を政治ショー化 国まとめる資質見えず
トランプ米大統領は30日、ホワイトハウスで、首都ワシントン近郊で29日夜に起きた小型旅客機と米軍ヘリコプターとの衝突・墜落について記者会見した。冒頭では黙とう…国 際 4時間前 毎日新聞
-
ドイツのメルケル前首相、出身政党の党首を異例批判 「方針転換」で
2月23日に総選挙を控えるドイツのメルケル前首相は30日、移民・難民政策の厳格化を求める決議案を右派政党との協力で可決させた最大野党「キリスト教民主同盟(CD…国 際 4時間前 毎日新聞