ドイツ、政権交代か 「極右」も躍進の公算大 総選挙投票開始

2025/02/23 09:57 

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 ドイツ連邦議会(下院)総選挙の投票が23日(日本時間同日夕)、始まった。世論調査では中道右派の野党統一会派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が支持率トップを維持しており、政権交代となる公算が大きい。2位の排外主義的な「極右」政党「ドイツのための選択肢(AfD)」も議席を大幅に伸ばすと予想される。

 世論調査機関「インザ」の22日の発表では、メルケル前首相が所属したCDU・CSUの支持率が29・5%、AfDは21%。いずれも昨年11月に前倒し総選挙の実施が濃厚となって以降、ほぼ同じ水準だ。与党は、ショルツ首相が所属する中道左派・社会民主党が15%、環境政党・緑の党は12・5%と伸び悩んでいる。

 CDU・CSUは単独過半数には届かない見込みで、選挙後は連立協議の行方が焦点となる。同会派はAfDとの連立は否定している。

 選挙戦では、移民・難民対策が大きな争点となった。ドイツでは昨年から、難民として入国したアフガニスタンやシリア出身者による無差別殺傷事件が相次ぐ。政府は重大犯罪を起こした難民の国外退去処分の迅速化などを打ち出したが、CDU・CSUは持続的な国境管理をはじめ、より厳しい対策を主張。AfDも不法移民らの強制送還の徹底などを掲げた。

 景気低迷を打開する経済対策も争点となり、各党ともエネルギー価格の引き下げを公約。社民党が再生可能エネルギーへの投資をうたう一方、CDU・CSUは、2023年に撤退を完了した原発への回帰も選択肢に入れるとした。

 社民党、緑の党、自由民主党が連立したショルツ政権は昨年11月、予算編成を巡って対立し、自民党が連立を離脱。12月に下院でショルツ氏に対する信任投票が反対多数で否決され、05年以来となる解散・総選挙の実施が決まった。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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