「とげとげしい発言は…」 ゼレンスキー氏側近、米国への信頼示す

2025/02/24 19:39 

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 ロシアの侵攻が続くウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府長官顧問が、毎日新聞の電話インタビューに応じた。ジャーナリスト出身で、ゼレンスキー大統領の側近として情報発信などを担当する。最大の支援国・米国のトランプ大統領がウクライナに冷淡な姿勢を見せているのに対し、「米国が(ロシアとウクライナの)戦争を適切な形で終わらせたいと考えていることに疑いはない」と述べ、一定の信頼感を示した。取材は21日に実施した。

 ポドリャク氏は、トランプ氏がゼレンスキー氏を「独裁者」と呼ぶなど批判を強めている点について、「とげとげしい発言をするのはトランプ政権の典型的な政治スタイルだ」と指摘。トランプ政権のウクライナへの対応については、「彼らは優位に立つことを望む。我々はそれを理解できる」と強調した。

 ゼレンスキー氏が米国のバンス副大統領やルビオ国務長官らと会談するなど、活発なやりとりが両国間で続いていると説明し、「バイデン前政権とトランプ政権のスタイルは全く異なる。我々はそれを理解し、落ち着いて対処を続ける必要がある」と述べた。

 米国との間で交渉を続けるレアアース(希土類)などの鉱物資源の共同開発については、「投資する側だけでなく、我が国にも利益のある協定が結ばれるべきだ。我々は協定に基づく安全保障の確保を求めている」とウクライナの従来の立場を主張。現在、双方の要求を議論しており、合意には今しばらくの時間がかかるとの見通しを示した。

 長期化する戦争を巡っては、2月中旬から米露間で交渉が進む。

 ポドリャク氏は「ロシアに圧力をかけ続けるため、ウクライナと米国、欧州の“三角形”を維持することが必要だ。(3者の)効果的な連携があって初めて戦争を公平に終わらせられる」と訴えた。さらに「我々がこの戦争を適切に終わらせなければ、(国際社会の)みんなが損失を被ることになる」とアピールした。【岡大介(キーウ)、畠山哲郎】

毎日新聞

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