ミャンマーの民主派指導者、アウンサンスーチー氏が１９日、８０歳の誕生日を迎えた。２０２１年２月のクーデターで国軍に拘束されたまま４年以上が経過している。健康状態への懸念もあるが、国軍はスーチー氏の詳しい動向を明らかにしていない。

　早期解放を求める国内外の支持者らは、特設の交流サイト（ＳＮＳ）を通じて８万件以上の誕生日を祝う動画を寄せた。

　英国に住む次男のキム・エアリス氏らが６月上旬から動画を募集し、８万件を目標に掲げていた。動画は国軍の弾圧から国外に逃れたミャンマー人や、海外の政治家らからも寄せられた。エアリス氏は「この成果はミャンマーへの国際的な支持の証拠だ。彼女の発言は封じられても、炎が消えることはない」と投稿した。

　クーデター後、スーチー氏は非公開の特別法廷で、汚職や国家機密を漏らした罪など１９件で有罪となり計３３年の刑期を言い渡された。後に恩赦で２７年に減刑されたものの高齢のスーチー氏にとっては事実上の終身刑に近い。刑務所に収監された後、別の場所に移送されたとの情報もあるが詳細は不明だ。

　英紙ガーディアン電子版は１８日、２２年の法廷でのスーチー氏とみられる動画を報じた。クーデター後の様子が伝わるのは初めてとみられる。【バンコク武内彩】