イラン、IAEAとの協力を停止 米軍の攻撃受け「不信感」募らせる

2025/07/02 19:16 

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 米軍などに核施設を攻撃されたことを受け、イランは2日、国際原子力機関(IAEA)との協力を停止する法律を施行した。地元メディアが報じた。IAEAの査察によるイランの核開発の透明性の担保ができなくなるため、国際社会の懸念が強まりそうだ。

 報道によると、施行された法律は、自国の核施設や核科学者の安全が保証されるまでIAEAとのあらゆる協力を即時停止するとの内容。IAEAの査察官の入国を制限し、核施設への監視カメラの設置なども認めない。

 イランは核拡散防止条約(NPT)加盟国で、IAEAの査察などに協力する義務がある。だが、ペゼシュキアン大統領は6月30日、フランスのマクロン大統領との電話協議で「IAEAとの協力を続けても、核施設が再び攻撃されないという保証があるのか、国民は疑問を抱いている」と批判。アラグチ外相もNPT体制やIAEAへの不信感を口にしていた。

 イランでは6月13日に始まった12日間の戦闘で、イスラエル軍と米軍により国内のウラン濃縮施設などの主要な核施設が爆撃され、多くの核科学者も死亡した。核施設の被害の詳細は明らかになっていないが、IAEAのグロッシ事務局長は、イランが数カ月以内にウラン濃縮を再開できるとの見方を示している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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