ガザ停戦交渉が停滞 イスラエル軍の撤収案をハマスが拒否か

2025/07/13 06:41 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘を巡り、ロイター通信は12日、一時停戦に向けた交渉が停滞していると報じた。停戦中にイスラエル軍が撤収する範囲について、ハマスがイスラエル側の提案を拒否したという。

 双方は60日間の一時停戦を目指し、仲介国カタールで関係国とともに交渉を続けている。トランプ米大統領は9日、合意が近いとの見通しを示していたが、双方の隔たりは埋まっていない模様だ。

 報道によると、イスラエルは停戦中にガザの一部地域から軍を撤収させるものの、南部ラファなど全体の40%に駐留を続ける案を提示した。これに対し、ハマスはイスラエル軍が3月に戦闘を再開した時点まで撤収するよう要請。いずれも互いに相手側が合意を妨げていると非難している。

 ガザ地区では12日も戦闘が続き、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、この日だけで少なくとも108人が死亡した。

 ラファではイスラエルが主導して設立した「ガザ人道財団」(GHF)の食料配布拠点でイスラエル軍による発砲があり、食料を受け取りに来た住民少なくとも34人が殺害された。一方、イスラエル軍は死傷者が出たとの報道を否定した。

 GHFを巡っては食料を受け取ろうとする住民への攻撃が相次いでいる。国連人権高等弁務官事務所によると、7月7日時点で配布拠点周辺や輸送ルート上で、計798人が死亡している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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