イスラエル軍、ガザ市内侵攻で犠牲者急増 停戦交渉再開に向け動きも

2025/09/18 07:31 

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 パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で地上侵攻を始めたイスラエル軍は17日も攻撃を続け、AP通信によると、戦車がさらに市中心部に侵入しているという。ガザ保健当局は同日、これまでのガザ側の死者数が6万5000人を超えたと発表し、犠牲者の増加に歯止めがかかっていない。

 攻撃の激化により、ガザ市内では通信状態が悪化。インターネットや電話が使いづらくなっており、救急車を呼ぶことも難しくなっているという。地元メディアによると、ガザ市のシファ病院付近では、イスラエル軍の攻撃で少なくとも13人が死亡。避難先に指定されている南部の「人道地区」に避難する途中だったという。

 戦闘が激化する中、停戦交渉再開に向けた動きも出ている。イスラエルメディアによると、イスラエルのダーマー戦略問題担当相とウィットコフ米中東担当特使が近く、ロンドンで会談する。ただイスラエルから攻撃を受けた仲介国のカタールは、交渉再開に否定的で、米国はイスラエルにカタールに対して何らかの対応を求めているという。

 一方、イスラエルのカタール攻撃の際、現場近くにいたイスラム組織ハマス幹部のガジ・ハマド氏が中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」の取材に応じ、攻撃後、初めて公の場に姿を現し健在ぶりをアピールした。当時は停戦交渉の協議中で、その場をすぐに離れて難を逃れたと説明した。

 ガザ地区にはいまだイスラエル人の人質約50人が拘束されており、一部はガザ市にいる可能性が高い。エルサレムのネタニヤフ首相の私邸近くでは、連日、人質解放を優先するように求める人たちのデモが行われており、「ガザ市占領に反対する」などと書かれたプラカードを掲げて、早期の停戦合意を訴えた。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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