トランプ氏、珍しく控えめ 演説は紙を読み上げ、脱線なし 国賓訪英

2025/09/18 09:58 

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 国賓として英国を訪問中のトランプ米大統領は17日、ロンドン郊外のウィンザー城でチャールズ国王夫妻らと面会した。歓迎行事などに臨んだ後、トランプ氏は晩さん会で、異例の2度目の国賓訪英について「人生で最高の栄誉」と述べ、国王らへの感謝を表明。英王室への敬愛のためか、話の脱線や物議を醸す発言はほぼなく、珍しく控えめなスピーチとなった。

 晩さん会では冒頭、チャールズ国王があいさつした。

 ロシアが侵攻するウクライナでの和平実現をトランプ氏が試みていることなどを念頭に、「世界で最も困難な紛争のいくつかについて解決策を見いだそうとする個人的な献身」を称賛した。また、ロシアを名指しはせずに「独裁政権が今また欧州を脅かす中、侵略を抑止し、平和を確保するために、我々と同盟国はウクライナ支援で団結する」とも述べた。

 続いてトランプ氏が発言。普段の演説ではアドリブも目立つが、この夜は用意した紙を読み上げた。

 2度目の国賓訪英は米大統領として初であることから、「(私が)最後であることを願う」と語り、笑いを誘った。また、「今、我が国が世界で最もホットな国だと思う」との自賛も忘れなかった。ただ、それ以外は米英の「特別な関係」を強調するなど、全体的に厳粛で抑制的な話しぶりだった。

 前日夜に英国入りしたトランプ氏と妻メラニアさんはこの日、ウィンザー城でウィリアム皇太子夫妻らの出迎えを受けた。国王夫妻、皇太子夫妻と馬車に同乗し、城の敷地内をパレード。城内の聖ジョージ礼拝堂も訪れ、エリザベス女王の墓に花輪を手向けた。

 馬車パレードは、7月にフランスのマクロン大統領夫妻が国賓訪英した際は公道も通ったが、今回は一般公開されなかった。周辺での抗議デモに遭遇するのを避けることなどが理由とみられている。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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