米国防総省、新たな取材規制方針を発表 「検閲」批判受け

2025/10/07 17:29 

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 米国防総省は6日、米軍などへの取材規制について新たな指針を発表した。9月にメディア側へ示した文書では、未公表の情報を報じる場合は、機密情報以外も「事前に当局者の承認を受けなければならない」としていたが、これを撤回した。記者は「事前承認の義務を負わない」と指針に明記した。メディア側と数週間にわたって協議した上で懸念に対処したとしている。

 同省は、当局者による事前の報道内容のチェックをメディア側が同意しなければ同省発行の記者証を取り消す可能性があるとしていた。メディア側は検閲にあたるとして、報道の自由を定めた合衆国憲法修正第1条に違反するとして強く反発していた。

 一方で、新たな指針は、国防総省職員に対して非公開情報の提供を求めることは法律違反を助長する行為と言及。「職員の安全に対する脅威」として記者証を取り消す可能性があるとした。このほか職員と記者の接触を制限する内容が多く盛り込まれている。指針の運用は1週間の猶予を経て、数週間以内に開始するとしている。指針に同意する文書への署名を拒めば記者証を取り消す可能性があるという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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