シリア暫定大統領、露軍駐留基地の存続容認示唆か プーチン氏と会談
シリアのシャラア暫定大統領は15日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談し、「新生シリアの発展でロシアには重要な役割がある。シリアは過去の全ての合意を尊重する」と述べた。タス通信などが伝えた。
シャラア氏の発言について、シリア領内にある二つの露軍駐留基地の存続容認を示唆したとの見方も出ている。
シリアは軍事・外交の両面で一定の影響力を持つロシアとの関係再構築を狙っており、ロシアは中東・アフリカ戦略の拠点としてシリアを重視している。双方とも実利面を優先している模様だ。
会談冒頭、プーチン氏は「両国は長年友好的な関係を築いてきた」と訴え、今月5日にシリアで実施された人民議会(国会)議員選について「社会の統合につながる」と称賛した。
タスによると、ノバク露副首相は会談後、両首脳がシリアの石油開発や内戦で破壊された各種インフラの復旧について協議したと記者団に明かし、「ロシアは協力と支援の用意がある」と語った。近く両政府間委員会の会合も開くという。
ロシアは昨年12月のシリアの政権崩壊まで、一貫してアサド前大統領を支援していた。会談では、ロシアに亡命中のアサド氏の引き渡し問題や、露軍駐留基地の扱いが主な論点になったとみられる。
ロシアは2011年からのシリア内戦でアサド政権(当時)を支え、15年9月以降は過激派組織「イスラム国」(IS)や反体制諸派を標的に空爆も実施した。
昨年12月、シャラア氏らの勢力が攻勢を強め、アサド氏はロシアへ逃亡した。現在はモスクワに居住しているとされる。
半世紀以上にわたるアサド父子の独裁政権下では、国民への弾圧が続いた。シャラア氏は今回、国内で法的責任を問うため、アサド氏の引き渡しを正式に求めたとみられる。
一方、ロシアはシリア西部タルトスの海軍基地と北西部フメイミムの空軍基地に露軍を駐留させてきた。アサド前政権との合意では17年から49年間の基地使用が認められていたが、暫定政権が同様に駐留継続を許可するかが焦点となっている。
アサド政権崩壊後のシリアに対しては、隣国イスラエルが「自衛」を理由に空爆を繰り返す。シリアとしては、ロシアとの関係再構築でこうした問題にも対処する狙いがありそうだ。【モスクワ真野森作】
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