トランプ氏、ホワイトハウス東棟を解体 歴史的建造物の消滅で波紋

2025/10/24 12:05 

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 米ホワイトハウスの一角を占める東棟が23日までにほぼ全て解体された。トランプ大統領が7月に表明した「ボールルーム(大広間)」の建設に伴うもので、当初は既存の建物には手を付けないとしていた。20日の工事開始からわずか4日間で123年の歴史を誇った建造物が突然消滅した形で波紋が広がっている。

 東棟の解体工事は20日に始まり、23日までにほぼ全て取り壊された。米公共ラジオNPRによると、東棟は1902年に建設され、42年に改築された。近年は大統領夫人の執務室やホワイトハウスの見学ツアーで訪問客を迎える玄関口として利用されていたという。

 ホワイトハウスで最も大きな部屋は200人分の座席を収容する広さしかない。大規模な催しの際には屋外にテントを設置して開催していたが、トランプ氏は「雨が降る度に惨事だ」などと批判し、ボールルーム新設の必要性を主張していた。

 米CBSニュースによると、東棟を取り壊して新たに建てられるボールルームは約1000人を収容できる約9万平方フィート(約8360平方メートル)で、ホワイトハウス本館を圧倒する大規模施設になる可能性があるという。費用もさらに当初の2億ドル(約300億円)から3億ドルに膨らむ見込みだという。トランプ氏が退任する2029年1月までの完成を予定しているという。

 ホワイトハウスで記者団の取材に応じたトランプ氏は22日、「建築士らと協議して取り壊しを決めた。とても小さい建物だ」などと説明した。一方、ヒラリー・クリントン元国務長官はX(ツイッター)で「これは彼(トランプ氏)の家ではない。あなたたち(国民)の家だ」などと批判している。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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