高市氏、安倍元首相の同郷・吉田松陰の言葉を引用 所信表明で

2025/10/24 15:39 

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 高市早苗首相は24日の所信表明演説で、幕末の思想家・吉田松陰の言葉を引用した。高市氏は安倍晋三元首相の「継承者」を自任しており、安倍氏と同郷の松陰の言葉を引くことで保守派へのアピールを狙ったとみられる。

 首相はこの日、「事を論ずるには、まさに己の地、己の身より見(けん)を起こすべし、すなわち着実となす」との言葉を引用し、自らが暮らす地方の重要性を強調。半導体受託生産の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県への進出などに触れつつ、地方への大規模な投資を呼び込み、地方を活性化させると表明した。

 松陰は、安倍氏の地元・山口県出身。安倍氏は2006年9月の第1次政権発足時の所信表明演説で松陰の私塾・松下村塾を紹介しながら教育再生を訴えた。その後も施政方針演説や講演などでたびたび松陰に言及するなど強い思い入れがあったとされる。

 高市氏はこのほか、聖徳太子の「十七条の憲法」にある「事独り断(さだ)むべからず。必ず衆(もろとも)とともによろしく論(あげつら)ふべし」も引用。その上で「政治とは独断ではなく、ともに語り、ともに悩み、ともに決める営みだ」と訴えた。少数与党の状況のなかで丁寧に国会運営を行っていくとの決意が込められているという。【大野航太郎】

毎日新聞

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