エジプト独自のファストフード「コシャリ」 ユネスコ無形文化遺産に

2025/12/11 08:30 

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は10日、エジプトの国民食として知られる料理「コシャリ」を無形文化遺産に登録すると決めた。コシャリは格安で食べられるエジプト独自のファストフード。年齢や性別、社会階層などに関わらず広く親しまれており、「共通のアイデンティティー」を育んできたことが評価された。今回の登録は観光振興を目指すエジプトにとって追い風となりそうだ。

 コシャリはひよこ豆やレンズ豆、米、パスタ、フライドオニオンなどに、トマトソースをかけて混ぜて食べるエジプト独自の料理。豆や米をスパイスで煮込むインドの「キチュリー」が起源との説があるが、その由来ははっきりしない。

 エジプトでは街中に多くのコシャリ屋が店をかまえており、数十~百数十円程度で食べられる。炭水化物が豊富で腹持ちがいいため、広く庶民の間で愛されている。

 カイロに住むエンジニア、カリーム・ハミドさん(36)は「コシャリはインド起源とも言われているが、エジプト料理として認められてうれしい。私も週に4回ぐらい食べることもある。月末でお金がなくなるといつも食べている」と語った。

 10日には「イタリア料理」やタジキスタンの「スマナク」と呼ばれる伝統料理なども登録された。2013年には「和食」も無形文化遺産として登録されている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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