韓国大統領「与野党関係なく捜査を」 旧統一教会の疑惑巡り

2025/12/11 10:14 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 韓国大統領府は10日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が政治家に不正な支援を行ったとの疑惑に関連して、李在明(イ・ジェミョン)大統領が「与野党や地位の高さに関係なく厳正に捜査すべきだ」との考えを示したと韓国記者団に明らかにした。聯合ニュースが伝えた。

 聯合は大統領府関係者の話として、「政教癒着を完全に根絶しなければならないという大統領の意志が強い」と伝えた。李氏は今月上旬には旧統一教会を念頭に「宗教団体が組織的かつ体系的に政治に介入した事例がある」と述べ、解散命令を含む法的対応を検討するよう指示していた。

 旧統一教会の疑惑を巡っては、総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)被告が尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権から便宜を受けるため政権側に金品を贈ったとして、政治資金法違反罪などで起訴されている。

 旧統一教会は保守系野党議員にも現金を渡していたとして捜査が進められていたが、その過程で、与党「共に民主党」の国会議員の一部も旧統一教会から金品を受け取っていた疑いが浮上した。その中には李政権で要職を務める政治家も含まれるとされる。

 これまでの捜査対象が保守系野党に偏っていたとの批判があり、李氏の今回の発言はこうした批判を意識したとみられる。一連の疑惑を捜査している特別検察は、9日に与党関連の捜査について警察庁国家捜査本部に移管した。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース