ガザで生後8カ月の乳児が凍死 雨でテントに浸水相次ぐ

2025/12/12 07:29 

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 パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局は11日、ガザ地区南部ハンユニスで、生後8カ月の乳児が凍死したと発表した。ガザ地区では11日、激しい雨が続き、当局には過去24時間以内に2500件のテントへの浸水などの通報があったという。停戦後もイスラエルにより支援物資の搬入は制限されており、人道危機は続いている。

 米CNNによると、乳児の母親は、子どもが寝る前にいつも通り母乳を与えたが、目が覚めると、テントに雨が浸水。乳児は体を震わせ冷たくなり、亡くなったという。ガザではイスラエル軍の攻撃で住宅が破壊され、多くがテント生活を強いられる中、昨年の冬も凍死する乳児が相次いだ。

 停戦合意では、1日当たりトラック600台分の支援物資が搬入されることになっていた。しかし、物流の要である、エジプトとの境界にあるラファ検問所は閉鎖されたままだ。AP通信によると、停戦発効後の10月12日から12月7日までの間、ガザ地区に入った1日当たりのトラックの台数は平均459台にとどまっている。

 イスラエル軍は11日もガザ地区で散発的な攻撃を続けた。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ガザ北部で女性1人が死亡した。ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者は7万人を超えている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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