変装し漁船でベネズエラ脱出 ノーベル平和賞マチャド氏、オスロ到着
ノーベル平和賞の授賞式が開かれたノルウェー・オスロに10日夜、受賞者の南米ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)が到着した。独裁色を強めるマドゥロ政権による拘束を避けるため、米国の支援も受けて極秘に母国を脱出した。変装して小型漁船で脱出したと報じられている。
マチャド氏はベネズエラ当局の捜査対象になっており、国内で1年以上、身を隠していた。授賞式後にオスロ入りし、代理出席した家族と約2年ぶりに再会した。公の場に姿を見せたのは1月以来。
11日にオスロで記者会見したマチャド氏は「大変な経験だったが、ここに来て、ベネズエラで起きていることや、それが何を意味するのかを世界に伝えられることは価値がある」と説明。「私たちが民主主義を象徴する国に変えていく」と述べ、マドゥロ政権打倒への決意を改めて表明した。また、米政府が密航を支援したことも明らかにした。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マチャド氏は潜伏先の首都カラカス郊外から8日に脱出を開始。かつらをかぶって変装し、軍の検問所10カ所を通過して漁村に移動した。翌9日に木造漁船でカリブ海にあるオランダ自治領の島キュラソーに入り、10日にプライベートジェットでオスロへ向かった。
マチャド氏はベネズエラ当局から出国を禁じられており、帰国すれば拘束されるリスクもあるが「ベネズエラの人々と共にあるために帰国する」と語った。
一方、マチャド氏が支持するトランプ政権は、麻薬対策を名目にマドゥロ政権への軍事的圧力を強めている。そのため、マチャド氏の平和賞受賞には疑問の声も上がっている。【ロンドン福永方人】
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