トランプ政権、ベネズエラ沖で石油タンカー拿捕 反米政権に圧力強化

2025/12/11 18:08 

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 トランプ米大統領は10日、南米ベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕(だほ)したと明らかにした。「適切な理由」としているが詳細は言及しておらず、反米左派マドゥロ政権への圧力を一層強めた形だ。ホワイトハウスで記者団の取材に語った。

 ボンディ司法長官はX(ツイッター)で、拿捕したタンカーが「外国テロ組織を支える違法な石油輸送網に関与していた」として米政府の制裁対象になっていたと指摘。連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省(DHS)、沿岸警備隊が国防総省の支援を得て差し押さえ令状を執行したと述べた。また、武装した兵士らがヘリコプターからロープを伝って甲板に降り立ち、操舵(そうだ)室とみられる場所に突入する場面などを映した動画も公開された。

 AP通信によると、タンカーは今月2日ごろにベネズエラを出航。約200万バレルの重油を積んで友好国のキューバに向かっていたという。米ブルームバーグ通信は、マドゥロ政権がキューバを介して不正な石油売買をしている可能性があると伝えた。ベネズエラは世界有数の産油国だが、同国の石油輸出は今後、より困難になるとみられるという。

 ベネズエラ政府は今回の拿捕について声明で「あからさまな強奪であり海賊行為だ」と反発。米政権が退陣を求めているとも報じられる中、マドゥロ大統領は支持者に徹底抗戦を呼びかけているという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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