「年間１・５兆円もの都税が都民のために使われず、全国に分配されているってホント！？」――。都が９日にＸ（ツイッター）で投稿した内容が話題になっている。表示回数は１１日午後４時半現在で６８０万回を超えた。都の担当者は「都としての見解を知ってもらいたかった」と狙いを話す。

　Ｘに投稿されたのは、税財源を東京から地方に振り向ける「偏在是正措置」についての都の考え。政府・与党が、都と道府県の税収格差が広がっているとして、地方税の新たな偏在是正策導入の検討を始めている。

　投稿では「偏在是正の名の下に、（既に）年間約１・５兆円が国に奪われ、地方交付税等として分配されています」と説明。「都民が納めた税金は、本来東京の行政サービスの充実のために使われるべきものです」と主張している。

　さらに、「なぜ東京だけ税収が奪われる？」との質問を設定し、「人口１人当たりの一般財源額で見れば、都は全国平均（２２・９万円）と同水準（２３・８万円）であり、是正すべき偏在は存在しません。なぜ東京だけが税収を奪われるのでしょうか」と疑問を投げかけている。

　この投稿について、「是正すべき偏在がありすぎる」、「これはふざけるなだね。東京の若者が納めた税金が田舎に流れている」、「都　ｖｓ　地方、という対立であおる話でない」などのコメントが寄せられている。

　都の担当者は「他の自治体を批判する意図はなく、あるべき地方自治について投げかけさせてもらった」と話した。

　小池百合子都知事は５日の定例記者会見で「偏在というならば、どこに偏在があるのか」などと批判していた。【遠藤龍】