台北中心部で無差別襲撃か 3人死亡、6人負傷 台北駅で 台湾報道

2025/12/19 20:38 

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 19日午後5時20分(日本時間同6時20分)ごろ、台北市中心部の地下鉄台北駅構内で、男性が発煙弾を投げ、通行人に襲いかかった。

 台湾メディアによると、容疑者は現場から逃走し、隣の中山駅に移動。午後6時半ごろ、繁華街の路上で、次々と刃物で買い物客らを切りつけた後、近くの百貨店に侵入した。

 一連の襲撃で3人が死亡し、6人が負傷した。

 警察によると、容疑者は27歳の男性。百貨店のビルから転落し、搬送先の病院で死亡が確認された。

 台湾メディアは、事件当時の映像を報じた。半ズボン姿の容疑者が、顔を防毒マスクのようなもので覆い、バッグから複数の発煙弾とみられる物を取り出して投げる様子が映っている。台北駅構内には白い煙が立ちこめて刺激臭が漂い、利用客らが逃げ惑った。

 中央通信社によると、容疑者は兵役の招集に応じなかったとして、当局が指名手配していたという。

 台北駅と中山駅はいずれも台北有数の繁華街に位置する。事件当時は帰宅時間帯と重なり、パニックになった。容疑者が侵入した百貨店からは、買い物客が急いで避難した。

 台北駅は総統府の北約700メートルと官庁街にも近く、駆けつけた卓栄泰行政院長(首相に相当)は報道陣に対し、全土の駅や空港で警備態勢を強化して市民の安全確保に全力を挙げる考えを示した。

 中山駅の現場では、救急隊員とともに、店員とみられる女性らがけが人に心臓マッサージを行っていた。奈良県から観光で訪れた日本人男性は、「こんなところで事件があるなんて驚いた」と話した。

 日本台湾交流協会台北事務所(日本大使館に相当)によると、日本人が事件に巻き込まれたとの情報はない。【台北・林哲平】

毎日新聞

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