天安門事件の遺族交流会が中止に 中国当局が介入で初

2026/01/20 08:00 

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 民主化を求める学生らを中国当局が武力弾圧した1989年の「天安門事件」を巡り、遺族による交流会が、公安当局によって中止に追い込まれた。

 遺族団体「天安門の母」が14日付の声明で明らかにした。習近平指導部の厳しい社会統制の実態が、改めて浮き彫りになった。

 「天安門の母」が公式サイトに掲載した声明によると、遺族らは2025年12月28日、北京市のレストランで年1回の交流会を開き、40人余りの遺族らが参加する予定だった。

 ところが、当局が法的根拠や詳しい理由を示さないまま、開催を阻止したという。

 交流会は09年から開かれているが、当局の介入で中止を余儀なくされたのは初めて。

 天安門事件は、軍が学生らに発砲し、多くの犠牲者を出しただけに、中国ではタブー視されている。メディアは取り上げず、国内のインターネットでは事件に関する情報が一掃されている。

 遺族が政府に求める真相の公表や賠償の訴えは黙殺されており、「天安門の母」の活動は厳しい監視にさらされてきた。

 家族を失った苦しみを公に語れない遺族にとって、交流会は互いに慰め合い、支え合うためのかけがえのない場だった。

 「天安門の母」は声明で「人間性と思いやりに満ちた会合のどこが政府の法律に抵触するのか。とても受け入れられない」と非難した。【北京・河津啓介】

毎日新聞

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