自民、能動的サイバー防御の関連法案を了承 独立機関が監督

2025/01/30 19:42 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 自民党の安全保障調査会などの合同会議は30日、サイバー攻撃を未然に防ぐ政府の「能動的サイバー防御」の関連法案を了承した。新設される独立機関「サイバー通信情報監理委員会」が政府による通信監視や無害化措置を監督し、憲法が定める「通信の秘密」に配慮して国会への報告規定を盛り込んだ。

 関連法案は「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法案」と、警察官職務執行法などの現行法改正案を束ねた整備法案からなる。政府は2月上旬の国会提出を目指す。

 法案によると、サイバー通信情報監理委は専門家ら5人で構成。国会の同意人事とし、首相が任命する。任期は5年。

 監理委は警察や防衛省・自衛隊による通信監視や無害化措置を事前に審査し、改善すべき点があれば勧告する権限を持つ。「国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない」とし、国会への報告と概要の公表も定めた。

 有害なサーバーへのアクセスや無害化措置を担う警察と自衛隊については、同じ建物で勤務するなどして緊密に連携させる。現場の指揮と監督責任は警察庁長官と防衛相が負うとしている。

 罰則については、行政職員らが取得した通信情報を不正利用・漏えいした場合、4年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金とした。【竹内望】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース