自公国、「年収の壁」修正案協議打ち切り 与党で160万円案提出へ

2025/02/26 20:38 

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 自民、公明両党は26日、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」について、従来の政府案で123万円としていた課税水準を160万円に引き上げる税制改正関連法の修正案を、開会中の通常国会に提出する方針を固めた。国民民主党は修正案に賛同せず、3党は2025年度予算案の修正に関する協議を、事実上打ち切った。

 同日、3党の税制調査会(税調)幹部が国会内で会談し、国民民主は予算案への賛成は難しいと伝えた。自公は28日にも修正案を国会に提出し、年度内の成立を目指す。

 与党によると、修正案の減税対象は、所得税の納税者の8割強に当たる約4600万人で、1人当たり年2万円前後の減税になる。

 年収850万円を上限に4段階の控除の上乗せがある。年収200万円以下の場合は、最低限の生活費に課税しない基礎控除(58万円)を37万円上乗せする恒久的な特例措置を講じる。会社員らの経費を差し引く給与所得控除(65万円)と合わせると、所得税がかかり始める水準は、従来の政府案の123万円から160万円になる。生活保護基準や最低賃金の水準などを勘案したとしている。

 このほかに25、26年の時限措置として、年収200万円超~475万円以下は30万円▽年収475万円超~665万円以下は10万円▽665万円超~850万円以下は5万円を、それぞれ基礎控除に上乗せする。

 25年度税制改正に向けた3党協議は打ち切りとなったが、今後も物価などに応じて基礎控除を見直す方針を修正案の付則に明記することは合意した。

 3党は24年12月に幹事長間で、年収の壁の見直しについて「178万円を目指して、来年(25年)から引き上げる」ことやガソリン税の上乗せ分(1リットル当たり25・1円)である「暫定税率は廃止する」ことで合意している。26日には26年度の税制改正に向けて再協議することを確認した。【杉山雄飛、小田中大、野間口陽、遠藤修平】

毎日新聞

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