岐阜・美濃加茂市議が議長を提訴 セクハラ疑惑の動画巡り

2025/02/26 20:51 

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 岐阜県美濃加茂市の永田徳男市議が昨年4月、姉妹都市の豪州・ダボ市の市長の娘にセクハラ行為をしたとされる問題を巡り、永田市議が「セクハラには該当しないと確信している」として、それを検証するために自身の様子が撮影された動画の開示を市議会議長に要求したものの不開示決定が出たため、議長を相手取り、決定取り消しを求め岐阜地裁に提訴していたことが26日、明らかになった。

 この問題は昨年4月、ダボ市のマシュー・ディカーソン市長らを美濃加茂市に招いた歓迎会の2次会で、当時副議長だった永田氏が酒に酔ってディカーソン市長の20代の娘に近づき、カラオケマイクを娘の下腹部に近づけたとされる。

 この様子を同席した別の市議が動画撮影しており、動画を確認した美濃加茂市の藤井浩人市長が不適切な行為だったとしてディカーソン市長におわびの文書をメールで送付。永田氏自身も市議会全員協議会で「不適切な行為で迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪。副議長を辞職した。

 永田氏はその後、市議会の個人情報保護条例に基づき、森弓子議長に動画の開示を請求。不開示決定処分が出たため、今年1月5日、処分の取り消しを求める行政訴訟を岐阜地裁に起こした。

 森議長宛てに提出した文書の中で、永田氏は「2次会での行動はセクハラその他ハラスメントには該当しないと確信している」と主張。その上で「私が議員としての適性を欠いているか否かについては動画が非公開とされている現在、検証する手段がない」と動画の開示を求める理由を説明している。

 また、永田氏は「(セクハラ行為の)報道により私の家族・親族、支援者らの平穏な生活が損なわれた。関係者の生活を保護するため(動画の開示は)不可欠」と訴えている。

 永田氏は毎日新聞の取材に「提訴について現時点で説明することは差し控えたい」、市議会事務局は「現在、市の顧問弁護士が対応を検討している」と説明している。一方、市議の一人は「今更こんな行動で名誉回復できるとは思えない。多くの市民も憤るか、あきれるかだろう」と話した。【太田圭介】

毎日新聞

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