大阪・岸和田市長選、新人の佐野英利氏が初当選 市議21人が支援

2025/04/06 22:36 

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 女性問題を巡り大阪府岸和田市の市議会から2度の不信任決議を受けた市長の失職に伴う出直し市長選が6日、投開票された。無所属新人で郵便局長の佐野英利氏(45)が初当選した。失職した前市長の永野耕平氏(46)は、女性問題が響いて落選した。落選の知らせが入ると永野氏は「市民の選択で、しっかり受け止めたい」と述べた。

 市長選には4人が立候補し、佐野氏は「市民の市政への信頼を取り戻す」「市は混乱し、市民生活に悪影響を及ぼしている。誠実で透明性のある市政を実現する」と訴え、永野氏に対する批判票を取り込んだ。

 永野氏と対立していた市議会は、定数24のうち、自民と公明、共産などの市議計21人が党派を超えて佐野氏を支援した。

 一方、永野氏は「自分の不始末によって世間をお騒がせして選挙になり、申し訳なかった」と釈明したうえで「市政改革は道半ば」と立候補した。選挙戦で行財政改革の推進など2期7年の実績を訴えた。

 立候補を表明していた政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)は「永野氏を応援する」として立候補しなかった。永野氏がかつて所属していた大阪維新の会は候補者を擁立できず、自主投票だった。その中で、永野氏は票を伸ばせなかった。

 女性問題を巡っては、永野氏は不適切な関係にあった女性から損害賠償訴訟を起こされ、謝罪して解決金500万円を支払うことで、2024年11月に和解した。市議会の2度目の不信任決議が25年2月、採決に参加した議員23人全員の賛成で可決され、永野氏は市長を自動的に失職した。【中村宰和、長岡健太郎】

毎日新聞

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