「排外主義に反対」 生活困窮者の支援団体が会見、危機感示す

2025/07/10 20:10 

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 生活困窮者の支援や相談活動に取り組んでいる市民団体「反貧困ネットワーク」(理事長・宇都宮健児弁護士)が10日、東京都千代田区内で記者会見した。参院選の中で「政党や政治家により排外主義的政策提言と発言が繰り返されている」と危機感を示し、排外主義に反対すると表明した。

 同団体は、日本で生活し困窮する人に対し国籍、在留資格を問わず支援している。記者会見には、難民と訴えながら、不法滞在者として入管施設への収容を一定の条件で免れた「仮放免」とされている外国人4人も参加し、「私たちは人間。差別をしない政治家を選んで」などと訴えた。

 6月の都議選から「外国人が優遇されている」「外国人が日本の社会保障の負担になっている」などと主張する政党などが増えたため、同団体が「排外主義を競い合う危険な状況」として選挙期間中に記者会見を開いた。

 仮放免中のアフリカ出身の女性は「4人の子は日本で生まれた。1人は難病だが医療も受けられない。優遇などないし、自由に働くこともできない」と語った。宇都宮氏は「排外的主張は物価高や生活苦のはけ口として一番弱い人に向けられている。外国人を排除して問題が解決するはずもない。失政から目をそらす卑劣なやり口だ」と主張した。【東海林智】

毎日新聞

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