外国人政策の事務局組織が発足 社会保険料の未納防止など強化へ

2025/07/15 11:18 

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 政府は15日、在留外国人への対応を担う事務局組織「外国人との秩序ある共生社会推進室」の発足式を首相官邸で開いた。参院選で外国人の受け入れ制限や対応の厳格化、共生の重視など外国人政策を公約に掲げる政党が相次いでいることを踏まえ、政府も取り組みを強化する。

 推進室は内閣官房に78人体制で設置され、阪田渉官房副長官補が室長を務める。石破茂首相は発足式で、出入国在留管理の適正化▽外国人の社会保険料の未納防止▽外国人による土地取得を含む国土の適切な利用管理――などを挙げ「取り組むべき課題は多数存在している。省庁の枠を超えて緊密に連携し、各種制度の運用の点検、見直しなどに取り組んでほしい」と述べた。

 政府は経済成長には、外国人労働者の受け入れやインバウンド(訪日外国人客)による消費拡大など、海外の活力を取り込むことが不可欠との立場だ。一方で「一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、国民が不安や不公平感を有する状況も生じている」(林芳正官房長官)として、対応が必要だとしている。首相は8日、外国人政策の司令塔となる事務局組織の設置方針を表明し、取り組みの加速に向けて関係閣僚に一層の協力を求めていた。【大野航太郎】

毎日新聞

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