トランプ氏「公式実務訪問賓客」で招待へ 28日にも高市首相と会談

2025/10/21 15:16 

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 政府は27~29日に日本を訪れる予定のトランプ米大統領を、元首としては国賓に次ぐ「公式実務訪問賓客」として接遇する方針を固めた。近く閣議で了解する。21日に就任する高市早苗首相が28日にも会談し、首脳同士の信頼関係構築を目指す。日米両政府が合意した5500億ドル(約83兆円)の対米投資や防衛費負担増が議題になる見通しで、ルビオ国務長官ら複数の閣僚も同行する方向。

 トランプ氏は第1次政権の2019年5月に国賓として訪日。現天皇陛下が即位後初めて会見した外国首脳で、今回も天皇陛下との会見が予定される。北朝鮮による拉致被害者家族との面会や米海軍横須賀基地(神奈川県)の視察も調整している。

 米大統領が2国間訪問で来日するのは「任期中に1回か多くて2回」(外務省幹部)とされ、日本の政権発足直後の来日は異例という。新首相はトランプ氏が第1次政権で緊密な関係を築いた故安倍晋三元首相と政策面でも近い。日米双方から安倍時代のような日米関係の構築を期待する声が出る一方、公明党の政権離脱などで政権発足が遅れた影響も懸念される。公式実務訪問の閣議了解は通常、2週間程度前とされ、今回は短期間の準備を迫られている。

 トランプ氏は日本の後に訪問する韓国で中国の習近平国家主席と会談する予定で、日米首脳間で、中国を巡る安全保障や経済安保分野の認識のすりあわせが必要となる。日本は27年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%とする目標だが、米側は3・5%への増額を求める。日本は防衛費水準を定めた国家安全保障戦略など安保関連3文書の前倒し改定を検討し、防衛力強化の姿勢を示す方向。経済面では、日本は対日自動車関税の引き下げを実現したが、日本企業による対米投資の具体化は難航している。【田所柳子】

毎日新聞

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