初入閣の鈴木農相 地元は農業県の山形 「現場分かる」期待と注文

2025/10/21 16:50 

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 21日に発足した高市早苗内閣で、山形県から鈴木憲和衆院議員(43)=山形2区、当選5回=が農相として初入閣を果たした。コメ価格の高止まりが依然続く中、農政の先行きに不安を募らせている全国有数の農業県からの閣僚誕生に、地元から「現場が分かる大臣だから期待できる」や「小さな農家も希望を持てる農業に」などと喜びの声や注文が相次いだ。

 鈴木氏は農水省出身で、2012年の衆院選で初当選。党内では旧茂木派に所属し、副農相などを務めた。

 サクランボやブドウなどの果樹の苗木の生産者で、鈴木氏の地元南陽市の菊地善和後援会長(71)は「平場から中山間地までくまなく足を運び、生産現場の課題がわかる専門家」と印象を語った。

 さらにコメ高騰で新米を1度は購入しても2度目は二の足を踏む消費者もいるなど消費低迷への不安がぬぐえないとし「農家と消費者が折り合える価格で持続可能な農業にしてほしい」と期待する。

 また今年3月に東京・渋谷で「令和の百姓一揆」を開催し、農を守る地域作りの重要性を呼びかけた長井市の菅野芳秀さん(75)は「地方の農業は家族経営の小さい農家が支え合って成り立っている。規模拡大路線の農政のままでは立ちゆかなくなる」と懸念し、新しい展望を示すよう注文した。【長南里香】

毎日新聞

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