「右派と右派の連立」 地方議員は不安も 政権維持も多難の船出
長年続いた「自公」に代わって日本維新の会の「閣外協力」を得る新しい枠組みで発足した高市早苗政権。連立相手を組み替えても少数与党であることは変わらず、地方では自民党と維新双方の議員から政権維持への安堵(あんど)や評価の声が上がる一方で、多難の船出に不安も漏れる。史上初の女性首相誕生だが野党議員は「何も変わらない」と冷ややかな目を向けた。
自民党栃木県連幹事長の木村好文県議は21日、「喜ばしい。政権は取り続けなければならない」と連立を評価した。
4日の総裁選で高市氏と決選投票の末、29票差で敗れた小泉進次郎氏の地元(神奈川県横須賀市、三浦市)からは、複雑な声が上がる。ある自民市議は「総裁が小泉さんなら公明党は政権離脱しなかったはず。高市首相と維新では普通以上の『右派と右派』の連立政権で、平和を守っていけるのか心配だ」と懸念を示した。
千葉県連幹事長の阿部紘一県議は、保守層の支持を歓迎しつつ公明との選挙協力が見込めない悪影響も語った。「高市氏が総裁に選出されて以降、かつて離党した人が再び入党する動きはあるが、公明離脱で失う万単位の票はすぐにカバーできない」
大阪の地域政党を源流とする維新の姿勢には、他地域の所属議員から不満の声も漏れる。関東地方のある国会議員は、連立政権について「日本の政治を変える第一歩だ」と歓迎しつつ、党が示す政策の優先順位に疑問を呈する。「全国政党になるチャンスなのに、大阪副首都構想を一番に掲げていたら駄目。憲法改正など優先すべき政策は他にもある」と話した。
この議員は、中長期的に党がどうなっていくのか不安だという。「公明党は創価学会という強力な支持母体があるから、政権を離脱しても党はなくならない。しかし大阪以外の地方では、いずれ政局次第で『切り捨てられる』と危機感を持つ所属議員も多いのではないか」と懸念を示した。
立憲民主党の田名部匡代参院議員は「初の女性総理が出たらぐっとくるものがあるかと思ったが、正直あまり感動はなかった。理由は共感する政策が少ないこと。国会では女性議員は圧倒的に少ない。だから足りない政策を、党派を超えて力を合わせ(実現し)ていこうというのが女性のトップリーダーへの期待だと思うが、高市さんにはあまり期待を感じない」と吐露。高市氏の保守色や自民派閥裏金事件に関わった議員の起用を念頭に「課題を放置したまま人を代えても(自民党は)変わらない。右傾化する今の状況の中で、より分断・対立を招くのではないかという不安を持っている」と語った。【有田浩子、福沢光一、中村聡也、岡正勝、上東麻子】
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