全閣僚に指示書…「高市カラー」を早速発信 「スピード上げて進む」

2025/10/22 20:52 

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 高市内閣が22日、本格始動した。高市早苗首相は早速、「最優先事項」の物価高対策を含む経済対策の策定のほか、諸課題について全閣僚に指示を出すなど「高市カラー」の発信を印象づけた。首相は「意思決定をしたら、前に、スピードを上げて進んでいく」と強調した。

 就任から一夜明けた22日午前、首相は北朝鮮による弾道ミサイルの発射情報を受け、当初の予定を早めて官邸入りした。高市氏は記者団に「危機管理はこの内閣にとって非常に重要な課題だ。一層緊張感を持ってスピーディーに対応したい」と述べた。

 首相が21日に全閣僚に対して出した指示書では「今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る」と明記。具体的には、強い経済の実現▽地方を伸ばし、暮らしを守る▽外交力と防衛力の強化――を三つの柱に据えた。「強い経済」の実現に向けては、総裁選で提唱した「危機管理投資」や、「責任ある積極財政」の考え方に基づく経済・財政運営を行うと表明した。高市氏は総裁選から一貫して経済対策の必要性を訴えており、スピード感をもって対応する姿勢を示すことで国民にアピールしたい考えだ。

 木原稔官房長官も初閣議後の記者会見で「物価高対策を早急に講じるとともに、日本経済の強さを取り戻すための経済政策を作り上げていく必要がある」とし、経済対策に全力を注ぐ考えを示した。林芳正総務相は会見で、高市氏が掲げるガソリン税の暫定税率廃止に触れ、「首相からも廃止に伴う地方の安定財源の確保に取り組むように指示をいただいた。総務省として適切に対応したい」と語った。

 高市氏は28日にもトランプ米大統領と会談する見通しだ。高市氏は指示書で外交・防衛に関し、「日本の国益を守るため、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と強調。日米同盟を基軸に、安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現を目指す考えだ。【畠山嵩】

毎日新聞

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