滋賀・三日月知事、核兵器廃絶へ強い思い 県議会で異例の答弁
「国守りて山河なし。もし核による抑止が、歴史が証明するようにいつか破られて核戦争になれば、人類も地球も再生不能な惨禍に見舞われます」
三日月大造知事は26日の滋賀県議会で、昨年8月6日の広島原爆の日に広島市であった平和記念式典で湯崎英彦・広島県知事(当時)が述べたあいさつの半分以上を引用し、核兵器廃絶への強い思いを示した。質問した、政治的立場を異にする中山和行議員(共産)も異例の答弁に「抑止力の限界をうたっておられ、非常に感銘を受けた」と議場で感想を漏らした。
中山議員は1959年2月に滋賀県議会が全会一致で可決した「核兵器の禁止と世界の恒久平和実現のために永遠の平和県滋賀の建設に邁進(まいしん)せんことを期す」などと記された「平和宣言」の全文を紹介。その上で知事に宣言への思いや平和に向けた取り組みをただした。
三日月知事は「平和宣言の内容を知らなかった」とことわり、「この良識や思いを受け止めなければならない」と述べ、昨年5月に広島で被爆者の証言を聞いたことを紹介。「二度と核兵器による被害者を出してはならない。そのためにも被爆の実相を学ぶこと、語り継ぐことが重要だと改めて感じた」と思いを表明した。
更に、「私もあるメッセージを紹介したい」と切り出し、「核抑止が益々(ますます)重要だと声高に叫ぶ人達がいます。しかし本当にそうなのでしょうか」「自信過剰な指導者の出現、突出したエゴ、高揚した民衆の圧力。あるいは誤解や錯誤により抑止は破られてきました」「抑止力とは、武力の均衡のみを指すものではなく、ソフトパワーや外交を含む広い概念であるはずです」など湯崎氏のあいさつの主要部分を2分半にわたって読み上げた。そして、「こうした思いも私たちは体現していきたい」と結んだ。
三日月知事は議会後、記者の質問に「被爆地の知事の言葉は重い。いつもとは違うあいさつだと感じ、強く共感した。普段から持ち歩いており、紹介したいと思った」と説明した。【北出昭】
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