日カナダ首脳会談 鉱物供給網の強じん化へ「対話」新設

2026/03/06 20:35 

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 高市早苗首相は6日夜、訪日したカナダのカーニー首相と首相官邸で会談した。中国が軍事的・経済的威圧を強める中、資源大国で主要7カ国(G7)メンバーでもあるカナダの重要性が増す。両首脳は現在の「戦略的パートナーシップ」を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げした上で、重要鉱物などの供給網の強じん化に向けた「経済安全保障対話」の新設などを盛り込んだ共同声明に署名した。

 高市氏は会談冒頭で「カナダとは基本的価値観を共有する。厳しさを増す安全保障環境や経済安全保障の重要性の高まりを鑑み、両国関係はこれまでにないほど重要だ」と述べた。カーニー氏は「中東やそれ以外でも、世界は今転換点にある。重要鉱物などの分野で戦略的に能力を高め、協力を深めたい」と応じた。

 共同声明では新たに「日加包括的戦略的ロードマップ」を定め、安全保障や経済安全保障、貿易投資、エネルギー・食料安全保障などを優先的に協力する6分野とした。共同演習の拡充など安保協力を強化し、カナダが高い能力を持つサイバー防衛分野の政策協議も開始する。

 カナダは伝統的に米欧との関係を重視してきたが、カーニー政権は政治・経済両面の連携先をインド太平洋にも広げ、多角化を進める。日本は引き続き米国との同盟を最重視するが、日中関係が悪化する中で、基本的価値観を共有する国との連携を強化する狙いがある。

 カナダはニッケルなどの重要鉱物だけでなく、原油・天然ガスやウランも産出している。日本が依存する中東の原油はイランが事実上封鎖したホルムズ海峡や海賊が一時横行したマラッカ海峡を通過する。外務省関係者は「カナダは同志国で、チョークポイント(急所)のない太平洋からエネルギーを安定輸入できる」と評価する。カナダからは小麦や豚肉なども輸入しており、食料安全保障面でも重要になる。

 カーニー氏は2025年3月の首相就任後初の訪日。米金融大手ゴールドマン・サックスに勤務していた時に日本への駐在経験があり、親日家という。カナダ首相が2国間訪問先として日本を訪問するのは10年ぶり。【田所柳子、原諒馬】

毎日新聞

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