広島の山林火災 海自トップ「爆破訓練との関係否定できない」

2025/01/21 18:20 

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 広島県江田島市にある海上自衛隊の射撃場から出火し延焼した山林火災について、海自トップの斎藤聡海上幕僚長は21日の定例記者会見で、爆破訓練との因果関係を「否定できない」と言及し、地形的な要因などから海自隊員による初期消火が難航した状況を明らかにした。

 火災は17日午前9時半ごろ、海自第1術科学校の長浜射撃場で発生。敷地内外の山林約30ヘクタールが焼け、20日午後3時ごろ鎮火した。けが人はいなかった。

 海自などによると、出火当時、第43掃海隊(山口県下関市)が水中での機雷除去を想定した訓練を実施。爆破薬に導火線をつないで発火させる手順を確認していた。火災に気づき消防に通報したが、手持ちの消火器を使用するには至らなかったという。

 斎藤氏は会見で「(出火場所は)隊員のいた場所からかなり離れていた。崖があって、消火器を持って向かうのが難しかった」と説明。付近は出入りが難しい山林である点などを踏まえ「訓練が出火と関係している可能性を否定できない」と述べた。また「国民の皆様には大変なご迷惑、ご心配をおかけし、心からおわび申し上げます」と陳謝した。

 海自は第43掃海隊を管轄する佐世保地方総監部に事故調査委員会を設置し、訓練と火災との因果関係を調べている。【松浦吉剛】

毎日新聞

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