キャベツ1キロ553円、野菜の価格高騰続く 天候不順で出荷量減少

2025/01/21 16:50 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 野菜の価格高騰が続いている。農林水産省が21日発表した食品価格動向調査によると、14~16日の全国平均の小売価格はキャベツが1キロ当たり553円で、平年比約3・4倍だった。ハクサイや大根など調査対象の8品目全てが平年比で値上がりした。夏の高温や秋の日照不足などの天候不順の影響で、生育の遅れや品質不良が生じて出荷量が減少した。

 農水省は各都道府県10店舗のスーパーなど計470店舗を毎週調査。平年比は直近5年の各月平均価格と比較している。

 キャベツの価格は昨年11月中旬以降、平年比2倍超で推移している。他の品目(1キロ当たり)では、ハクサイが2・5倍の360円。レタスは約1・7倍の985円、大根は約1・7倍の282円。

 スーパーなど小売店も野菜価格の高騰に戸惑っている。ベニースーパー佐野店(東京都足立区)のキャベツ1玉の価格は486円(税込み、20日現在)。価格は普段の倍以上で、販売数量も半分以下だという。丸ごと1玉を販売するだけでなく、切る手間を省いたり、使い残しを減らしたりできるカット野菜として店頭に並べるなど割安感を出す工夫をしている。

 同店の担当者は「今までにない価格の上がり方だ。天候次第で価格は大きく変わるので、今後の価格も予想ができない」と話す。そして価格だけでなく「品物があるかないかの方が重要だ。小売り同士で野菜を奪い合って、入荷できなくなると大変だ」と危惧する。

 同店を訪れた近くに住む60代主婦は「価格上昇の家計への影響は大きい。キャベツも1玉買うのではなく、少量のカットされたものを購入している」と話す。【福富智】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース