非正規春闘始まる 労組メンバー100人、経団連前で賃上げ訴え

2025/02/05 21:37 

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 非正規で働く人の賃上げに取り組む労働組合が連帯した2025年の「非正規春闘」が5日、東京都千代田区の経団連前での街頭宣伝からスタートした。活動は今年で3回目。集まった約100人のメンバーは「非正規の賃金を上げ、経団連は社会的責任を果たせ」と気勢を上げた。

 首都圏青年ユニオンや生協労連など、個人加盟や非正規労働者を多く組織する全国の28組合が実行委員会を結成。10%以上の賃上げなど統一要求を掲げている。

 5日は経団連に対し、非正規労働者の大幅賃上げや、全国一律の最低賃金1500円(時給)の即時実現などを求めた。

 実行委は、非正規労働者の現状など当事者の声を伝える場の設定を経団連に求めていたが、期限までに回答はなかった。面談は実現せず、組合員たちは「非正規労働者の声を聞け」「物価が上昇する中で非正規に賃上げがなければ実質的な賃下げだ」と思いを語った。

 実行委によると、今年の非正規春闘は28組合が144企業、10自治体に交渉を申し込む予定で、約4万人が参加する。業種は飲食業やコールセンター、運輸、語学学校、生協など幅広い。

 労組がない職場でも個人加盟の組合に加入すれば春闘交渉ができるとして、参加を呼びかけている。6日には「非正規春闘・賃上げ相談ホットライン」(午後4~9時)を実施する。相談は0120・333・774(無料)。

 実行委のメンバーで首都圏青年ユニオンの尾林哲矢委員長は「春闘は正社員だけのものではない。誰もが賃上げを求めてよいのだということを広げていきたい」と話した。【東海林智】

毎日新聞

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