2年連続で要人襲撃、警護の強化続く 99%の演説会で手荷物検査

2025/02/19 05:00 

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 岸田文雄前首相が襲われた事件は、前年の安倍晋三元首相の銃撃事件に続いて要人警護への課題を突きつけた。演説会場などでの警戒強化が続いている。

 背後から銃撃された安倍氏の事件では、警護員の配置が適切ではなく「後方警戒の空白」が生じた。岸田氏の事件では会場での手荷物検査が実施されず、聴衆のチェック体制が甘かったとされた。

 2年連続で要人が襲われる異例の事態で、2024年に実施された衆院選では全国の警察が警戒を強めた。

 警察庁によると、演説会の手荷物検査は99%で実施し、金属探知機の導入は98%に達した。警護対象者の背後に壁がある場所を選び、聴衆らとの距離を保つ対策も進められた。約500件の警護計画を審査した警察庁は82%で修正を求めたという。

 インターネット上にあふれているとされる武器情報などの監視も強まっている。安倍氏の事件後、警察庁は銃や爆発物の製造情報について、ネット事業者に削除を求める取り組みを開始。24年6月までに16件の削除を依頼し、うち7件で実現したという。銃の不法所持をあおる行為に罰則を設ける改正銃刀法も成立した。【木島諒子】

毎日新聞

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