伊藤詩織さん、監督映画巡り「おわび」 「無断使用」の指摘受け

2025/02/20 18:18 

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 性暴力被害を受けたと公表したジャーナリストの伊藤詩織さんが初監督を務めたドキュメンタリー映画を巡り、伊藤さんが20日、映画の中で承諾が必要な映像や音声の無断使用があったとして、内容を修正するとのコメントを発表した。

 映画は、伊藤さんが自身の性被害を題材にした「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」。既に海外で上映され、第97回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞部門にもノミネートされている。

 ただ、映画を巡っては、伊藤さんがテレビ局の元記者から性暴力被害を受けたとして起こした損害賠償訴訟(伊藤さんの勝訴が確定)の元代理人弁護士らが、被害現場とされるホテルの防犯カメラ映像や捜査の問題を告発した捜査員らの音声が無断使用されていると指摘。「証拠の少ない性被害での証言や映像提供が困難になる」と訴えていた。

 伊藤さんは20日に記者会見を開く予定だったが、体調不良を理由に中止し、コメントを発表。元代理人らの指摘に対し「本人への確認が抜け落ちたまま使用し、傷つけてしまった」と謝罪し、「最新バージョンでは、個人が特定できないようにすべて対処します」と映画を修正する考えを示した。海外上映もできる限り差し替えるとした。

 一方、防犯カメラ映像については、映画への使用承諾がホテル側から得られなかったことを認めつつ、「公益性を重視し、映画で使用をすることを決めた」とした。【菅野蘭】

毎日新聞

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