ＴＢＳの龍宝正峰社長は２６日の定例記者会見で、元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルに端を発するフジテレビの問題について「フジのことというだけではなく、放送への世の中の信頼を維持することが一番大事。取引先における人権問題の感度を高め、社内でも意識を高める活動を進めていく」と述べた。

　ＴＢＳは中居氏についての報道を受け、社員と芸能関係者の会食を巡る実態を調査し、２１日に結果を公表。その中で、２０２３年５月上旬と報じられた中居氏らが出席した会食に、ＴＢＳアナウンサーがフジ社員に誘われて参加した他、同月末に中居氏のマンションで行われたバーベキューにＴＢＳの男性社員２人が参加したことが確認された。龍宝社長は会見で、いずれについても「不適切な事案はなかったと聞いている」と語った。

　また、龍宝社長によると、中居氏を巡っては、昨年１２月中旬に週刊誌報道が出る直前に、本人から番組制作担当者へ記事が出ることについての連絡があった。詳細は不明だったが、龍宝社長はその後の記事内容に「驚いた」といい、出演番組の収録を中止。中居氏本人への聞き取りなどを行い、１月下旬に番組を終了などしたという。

　会見にはＴＢＳラジオの林慎太郎社長が同席し、番組関係者へのハラスメント行為でラジオ番組を降板した生島ヒロシ氏について「調査の過程で（コンプライアンス違反を）複数確認した」と明かした。【平本絢子、諸隈美紗稀】