ボルネオ島のジャングル体感、地球考える場に 千葉の動物科学館改装

2025/03/23 15:27 

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 熱帯雨林を体感し、地球環境を考える施設に――。千葉市動物公園(若葉区源町)内にある「動物科学館」が改修を終え、29日にリニューアルオープンする。同館は動物公園の開園と同時に1985年にオープン。老朽化が進み、展示内容も古くなったため、約5億8740万円をかけて改修した。今年、開園40周年を迎える同園は、昨年11月には「登録博物館」となり、集客観光施設としてだけではなく、社会教育にも力を入れている。

 展示タイトルは「生命の森 熱帯雨林」。多くの絶滅危惧動物が生息する熱帯雨林から、私たちがどんな恩恵を受けてきたかを解説し、人の手によって破壊されてきた歴史を紹介する学習展示施設となっている。

 エントランスホールでは、ボルネオ島のジャングルを再現。熱帯雨林を代表する「フタバガキ」の擬木(高さ約12メートル)がシンボルツリーとして植えられ、目を凝らすと、さまざまな生物の模型を見つけることができる。ジオラマの動植物は実際にボルネオ島で型を取り、現地で収録した野鳥のさえずりなどの音を流すなど細部までこだわったという。

 「林床の世界」では、土の中の生物になったような視点から、熱帯雨林を育む土壌分解の様子を天井投影映像で体感できる。ガジュマルなどが植えられた「バードホール」には、毎日午後2時半ごろスコールが降り、雨上がりの鳥たちの行動を観察できる。

 リニューアルを担当した同園の岡野鈴子さんは「動物園で人気のゴリラやサルたちが暮らす熱帯雨林とは、どんな環境なのかを知ってもらい、この森を守るにはどうすればいいのかを親子で考えるきっかけになる施設になれば」と話している。

 観覧には動物公園の入園料(高校生以上800円)が必要。問い合わせは同園(043・252・1111)。【大槻英二】

毎日新聞

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