埼玉・八潮の道路陥没 遺体はトラックの運転席部分から発見

2025/05/02 11:05 

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 埼玉県八潮市で1月に道路が陥没してトラックが転落した事故で、県は2日、下水道管内で安否不明となっていた70代の男性運転手とみられる遺体を発見したことを明らかにした。県警が身元の確認を進める。2次災害発生の恐れがあることなどから捜索は難航し、事故発生から3カ月あまりたっての遺体発見となった。

 県はこの日、午前4時20分ごろから男性運転手の本格的な捜索を再開した。硫化水素対策とみられる防護服や酸素ボンベを身に着けた消防隊員らが下水道管内に入り、事故発生現場の約30メートル下流に取り残されていた運転席部分から男性とみられる人を搬出、その場で死亡が確認された。遺体は地上に移され、車で県警草加署に運ばれた。

 事故は1月28日に発生。翌29日に消防がトラックの荷台部分をクレーンで引き上げたものの、運転席部分は穴の内部に残り、地中に埋まった。崩落の恐れがあることなどから捜索活動は難航し、県は汚水を迂回(うかい)させるためのバイパス(仮排水管)設置工事や下水道管内に人が入れるようにするための掘削などを進めていた。

 各工事がおおむね完了したことを受け、1日には事故発生後初めて下水道管内部に消防隊員らが入り、状況を調査。下水の水位や土砂の状況などを調べながら運転席部分に近づき、人とみられる姿を目視で確認していた。県は硫化水素の濃度などから2次災害発生の可能性は低いと判断し、2日から捜索を再開した。

 県は下水道管内に残されている運転席部分を回収した後、現場の本格的な復旧と対策工事に着手する方針。下水道管の交換や複線化を実施する計画で、完了まで5~7年かかる見通しを示している。【板鼻歳也、鷲頭彰子】

毎日新聞

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